Please told me

昇華できなかった戯言

あなたの愛した偽物

人を好きになる基準とはなんだろう。己の弱さを許容してくれる事がまず第一になるのではないだろうか。そして次に一方的な愛でなくなるのには相手の弱さを許容してあげられる事が必要不可欠になる。その後に色々な理由がついてまわりそれらしい愛の形を作り上げてゆくが最初に互いを受け入れられなければそんな愛は続かない。相手に求めてばかりの愛情や相手に与えてばかりの愛情は害悪なのだろうか、否。それはその人達の愛の形なのだ。強さを求める人と弱さを愛する人が依存ではなくただ寄り添えればそれで成立する。それだけの事なのになぜ愛だの恋だのはややこしいのか。
思うに、当人でなく周りがつつくからややこしくなるのではないか。あの人はいい人だ、あの人はやめておけ、こうすればいい、これは駄目だ、自分の傷になる訳でもないのだから周りは好き放題言い傷付けば可哀想にと慰めうまくいけば自分の手柄のように良かったねと微笑む、その悪意なき可愛らしい友情が邪魔なのだ。
人間は産まれるのも死ぬのもひとりなのになぜ人生でとても大切な事をそんなにも簡単に他人に一任してしまうのか甚だ疑問である。誰かを愛する時ひとりで抱え込むのが苦しい、傷付きたくないと思うのならまだ己が青く恋や愛を知らないだけなのだから誰に相談してもどうにもならない。人を愛し苦しみ傷付きそして愛した人とのみ秘密を共有するのはとても辛くその分甘美な事だ。はしたなく他人に恋人との秘め事を喋り、それを楽しんでいる内は恋をしているのではなく恋をしている自分を話の材料にし友人達ときゃっきゃと愛くるしく遊んでいるだけなのだと思う。それはそれでその時にしかできないとても楽しいお遊戯だから何も問題はない。ただそれをいつまでも恋と錯覚しそのままでいるのはどうにも肚に落ちない。友情と愛情を切り離し恋人を己の心の奥底でのみ燃えるように愛せなければそれはいつまでも過ちを繰り返すだけになる。
綺麗な色や形をして世の中に氾濫しているのは見た目だけの愛情物語で、本当の愛や恋はもっと奥深く、海の底のように静かで暗いところで人知れず蠢いているのだ。
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