Please told me

昇華できなかった戯言

嘘のない恋

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Kと恋愛をするのはとても難しかった。Kは言葉を選ばないし嘘を吐かないと思いきや平然と嘘を吐く(後に気付いたが彼は保身が上手すぎたのだ)し何より「さみしかったから」という理由で情緒不安定になり病身の私を責めたのだ。幼すぎる私よりうんと年上のKをなぜ愛してしまったのかと悩む事も多かった。恋愛に理由はない、それは正しい。とても正しい。けれどなぜ人は自傷行為のような恋愛を多くするのだろう。

Kと一緒にいる間、私の中にはたくさんのちいさな言葉がスノーグローブのように積もりに積もって結局その雪のような言葉たちの重さに潰されどれひとつ言う事もなく黙ったままKとはぐずぐずと壊れてしまった。それらのちいさな言葉たちは一見色や形は違うけれどそのラッピングを解いてしまえば「私を愛してる?」という醜い疑問だけで今になってやっとこれらはこのまま自分の中に沈めておかなければいけないんだと思った。この疑問への答えはわかっていたから丁寧に美しく厳重にラッピングし隠してはぐらかして、それでも伝えられなかった言葉なのだ。ずっと本当はわかっていた。Kは私を愛していないと。

けれどKは時々気まぐれにそのスノードームをとても乱暴に振り回し、私の中の言葉たちは沈んでいられなくなりKはさあ言え、何を隠しているんだと喧嘩腰に私を責めた。その時々は惨めで、いたたまれないばかりだった。