Please told me

昇華できなかった戯言

2015-01-01から1年間の記事一覧

弦を弾く

弦楽器を弾く男性が好きだ。とてもセクシーだと思う。女の子で嫌いだと言う人はいないのではないかと勝手に考えている位で弦楽器を自分だけのために弾いてくれる人にならば殺されても良いと思う。馬鹿なのかロマンチストなのか皮一枚で分かれる考えをしてい…

甘い声と無機質な部屋

Sは海が好きだ。それはきっと私の知らない思い出を海に秘めているからだろう。Sのバイクの後ろは私の特等席でいつもそこに座り、冬は寒さに凍え夏は暑さに倒れそうになりながら海を見に行く。互いに何も話す事なく寒さ暑さに耐えながらみつめる海は美しく悲…

嘘のない恋

Kと恋愛をするのはとても難しかった。Kは言葉を選ばないし嘘を吐かないと思いきや平然と嘘を吐く(後に気付いたが彼は保身が上手すぎたのだ)し何より「さみしかったから」という理由で情緒不安定になり病身の私を責めたのだ。幼すぎる私よりうんと年上のKを…

生きる事とみつけたり

私達の周りには死が蔓延っている。それは当たり前の事であり人は生まれた瞬間から死に向かって人生という暇を過ごしているだけだと考える人もいるくらいだ。しかし、もし身近な死が突然訪れた時に耐えられる自信はあるだろうか。たとえそんなに仲が良かった…

あなたの愛した偽物

人を好きになる基準とはなんだろう。己の弱さを許容してくれる事がまず第一になるのではないだろうか。そして次に一方的な愛でなくなるのには相手の弱さを許容してあげられる事が必要不可欠になる。その後に色々な理由がついてまわりそれらしい愛の形を作り…

甘駆ける

「欲しい物」が「欲しかった物」に変わる瞬間というのはだいたい、手に入れた瞬間であろう。物欲というのは果てなく廻る。恋みたいなものだな、とふと思った。物欲は生きている限り決して埋まらない。「欲しい物」は手に入れた瞬間から終わりに向かいすぐに…

キス・マイ・リップ

東京の初雪は1年の始まりの日に降った。ほんの一瞬心を駆け抜けるように激しく降り、ぴたりと何もなかったように止んで日常を取り戻す。それは私の産まれたところで降るスコールのようだった。雪と違い1年間のほとんど、微かな雨のにおいがしたら急いで洗濯…

桃の缶詰

年末は風邪をひいて過ごした。仕事も小説も全て手に付かず本当にたくさんの人に迷惑を掛けてしまっていつも年末年始は体調を崩しているのでもっと自己管理をしっかりしなければなと熱でぼんやりする頭で考えながら眠っているとYは年末進行で忙しい中ちょくち…